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ある春の日。県内でかろうじて10本の指に入る高校に私は入学した。
その高校に決めたのは、成績の問題ではなくひとえに親の都合だ。
本音を言えば「学区内でトップの高校に行きたい」というミエはあった。だが、そのミエは家族の輪を乱すほどのものではなかった。(ちなみに、この”親の都合”は入学後に無くなる)
入学して最初のホームルーム、そこでは当然、自己紹介という悪魔の行事がある。
中学時代アホキャラで売っていた私は(今でもその方が性にあっているのだが普段は猫をかぶっている)、「ここは一発かましてやらねば」という妙な責任感に押されて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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・・・あぁ、当時のことは思い出すだけでも恐ろしい。とにかく結論だけ言えば、ウケなかった。いや、反応さえ無かった。何事も無かったかのように時間は流れ、何のイベントも起こらなかったかのように自己紹介は進んだのだ。
確かに「芸」の道は厳しい。結果が出るまでには何年もの下積みが必要だ。いや、ほとんどの者は何の結果もだせずに去っていく。そんな弱肉強食の世界に自分はいるのだ、ウケなかったくらいで落ち込むことなどあってはならない。
だが、無反応というのはどうか。まるで、新入社員として挨拶した瞬間に窓際族に追いやられたような虚無感とやるせなさはどうしたものか。
今思えば、知り合いのいない中でギャグをかますというのは自殺行為に等しい。たとえるなら、ホワイトハウスにたった一人で乗り込むようなものだ。Fuck You!とか言って進入しようとした瞬間に高い壁に阻まれて立ち往生。フラフラしているうちに警備員に捕まって御用!だ。その分かりきった結果を見通す知恵の無かった私は、絶望と虚無感に沈み、そして思った。
「ダメだ、コレは orz」
私の高校生活は最悪の形で幕を開けたのだ。